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2002・11・9記載
Shinichi Okuda
冬を思う
気がつけば冬は目の前・・・ 暑い日々が続き、汗をかいてた日がつい最近のことのように思える。
初冠雪が初雪となり10月に里雪になったのは私の記憶では15年ぶりではないか。
まだ雪囲いの準備はしていないのに重く湿った雪が突然降った。
夜中に雪が落ちる音をウツラウツラしながら聞いていた。ぼんやりしている意識の中で思い出したこと。
それは横溝正史の代表小説「本陣殺人事件」。夜中に雪が降り琴の音が不気味な旋律を奏でた時おぞましい殺人が起きたことから始まる密室殺人事件。しかも不可能と言われていた日本家屋で起きた歴史的作品であった・・・などと考えながら深い眠りにつき、朝起きたら玄関前に屋根から落ちた雪がテンコモリ。今期初めての雪かきとあいなった。
冬がやってくると人はどのように思いを馳せるのであろうか?
住んでいるものにとっては皮算用を弾き、繁盛か否か、はたまた、雪解けのころに通院しないよう我が身体を労わることを思うのか。
旅人は銀世界の甘き幻想にひとり浸るのであろうか。
閑話休題
「大根の切り漬け」って知っています?これは郷土料理のひとつと思う。
大根をナタでバッサ々切って麹で漬け込んだもの。包丁で切るとその味が出ないと作る人は言う。ほんとかな。
でも、漬け樽を置く場所は小屋の中。そうワザワザ一番寒いところに置く、真冬になるとその樽には氷が蓋のように張る。その蓋を持ち上げて手を入れ大根を取り出す。「冷たい!」指先が凍える。
その漬物を暖かいご飯と一緒に「バリバリ」と音を立てて食べる。今なら「おいしーい!」とでも言おうか。
でも、近年そのおいしい漬物になかなかお目にかかれない、なぜかと問えば、作る人が少なくなってきている。また昔ほど寒くなくなっているので氷がはらない。
そういえば大雪になって1階が埋まってしまうのは昔の話。その原因は地球温暖化かな?
それもあるだろうが今は雪が降れば除雪車が雪をかいていくし、また皆一斉に除雪を始め、側溝に流してしまう。除雪体制が整備されたのにそれに気がつかないかもね。
コタツにすっぽり入り込み切り漬けをお茶受けにポリポリ ・・・
あー日本の冬だ。
写真・文 奥田 信一
(またの名を町のくまサン。やや怪しいおじさん探検隊員。)
1 今年の初冠雪が初雪になった磐梯山 |
2 川桁山脈にかかる夕方の雲 |
3 夏はこのようになってます。通称マナコ岩 |
4 初雪に凍えているムラサキシキブ
これに気がついた人はいるのかな?
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5 白鳥の群れと猫、このあと猫はどうしたでしょうか? |
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