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2002・8・7記載
Shinichi Okuda
昆虫の夏だ
今回は夏のお話です。
この文は8月になってから書いていますが、7月20日から猪苗代の某国民宿舎で観察会を開催しています。
もう写真を見れば言葉は要りませんね。セミの羽化です。
ただし、それぞれの個体は異なりますが、一連の流れがお解りいただけると思います。夜の観察会をしているとき発見したもので、これを見た方々は異口同音に「すごい!」の言葉を発していました。
では、なぜ夜になってから羽化するのでしょうか?
鳥たちから自分を守るためなんです。と言うのもセミにとってこの瞬間が一番無防備になるからです。おおよそ夜の8時ごろから明け方にかけてこのような羽化が行われるそうです。この時間、天敵の鳥たちは人間と同じように眠ります。その間が安全なんですね。
でも、中にはとぼけたものもいて、まだ明るいうちだったり、木が無かったのか道路で羽化して、あわれ車にひかれたりして、鳴くこともなく地上での短い生涯を終えるのもいるのです。
土の中で約7年間を過ごし、地上に出てから約1週間の晴れ姿(?)。今日も命の限り鳴いています。
誰に言われたわけでもなく、季節が到来したことを告げてくれる生物達、自然の営みを耳や目で実感してください。四季の移り変わりがはっきりしている日本ならではの自然の風物を、これからも大切にし、また伝えなければなりません、それはなんと言っても私達大人の責務です。
写真と文 奥田 信一
( やっぱり怪しい探検隊員こと町のクマさん。)
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1 |
セミの幼虫 |
2 |
羽化その1 |
3 |
羽化その2 |
4 |
成虫
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