天栄村の友人が秋の終わりに手紙をくれた。フリークライミングを始めたという。山形の飯豊町まで3時間かけてかよっていたが、喜多方と山都にも「壁」があって、指導してくれる人もいたのでそこでやっているーーー夢中になれるものがみつかって楽しくてしかたがない様子が文面から伝わってきた。
私は高くて足元のおぼつかない所は苦手でクライミングとは一生縁がないと思っていたが、この手紙を読んだら「どんなものなんだろう?」という気になった。
で、今年1月末日、友人に喜多方の壁へ連れて行ってもらった。アーケードのある中心街にその蔵がある。うす暗い2階へあがると、三方にベニヤ板が張ってあり、いろんな色と形の突起(ホールド)が固定されていた。床には古びたベッドのマットが敷きつめられ、天井は頭がつかえそうだった。これならこわくない。
友人はホールドからホールドへ手足を移動させ壁を這っていく。簡単じゃんか、と思いホールドに手足をのせようとしたが、足をのっけていられない。ようやくのってもその姿勢から動けない。ついに腕がしびれて落っこちた。
う〜、くやしい! 何度もトライしたがとうとうくたびれて続けられなくなった。 突然、子供の頃夢中になっていた遊びを思い出した。公園のフェンスの上を歩くという、単純な遊び。できないとくやしくて何度でもやっていた。あれだ。自分自身に対するくやしさは向上心に変わっていく。それがおもしろい。
この日以降、週4日も喜多方にかようようになった。行く度にたとえ一手しか進めなくても”できなかったことができるようになる”のは楽しかった。
かよい続けていると、他に来ている人もアドバイスしてくれて、3月はじめにようやく1本のルートができた。そりゃあ、うれしかった!
3月21日。阿武隈丘陵の林で岩をみつけ、登ってみたくなった。登っておりられた。その話をしたら「それがボルダリングだよ」と言われた。そうかあ。
というわけで興味のある方は壁のオーナーである冠木さんに
連絡してみてください。大歓迎されることでしょう。
TEL 090(4630)1871
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写真と文 高橋 真希
( 森のねえちゃんプロガイドとして小さな体で野山に出没中。)
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