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2002・2・6 記載
Maki Takahashi |
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クロスカントリースキーの魅力
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裏磐梯は小野川湖の湖畔に我が家はあります。なんて言うとカッコイイですが、家と湖の間にはヤブや木立があって湖面を望むことは出来ません。
冬になり枯草が雪に埋もれ、雪の重さで倒れ伏し、ついにはなめらかな白一色の雪原となります。青空ののぞく晴れた午後。待ってましたとばかりに家の前からクロカンをはいてちょっと雪原をつっきるとあっと言う間に小野川湖の水辺に出ます。湖の向こうには西吾妻山や中吾妻山の連なりが真正面にあるのです。
休暇村磐梯高原には整備されたクロカンコースがあって誰でも無料で使う事が出来ます。ここを歩くのも楽しい。
でも私にとってのクロカンの魅力は、夏に入れなかったヤブの所や林の中、湖上へ歩いて行けるってこと。雪の上に残るウサギやテンの足跡を見ると、草が茂り、トンボが飛びかうにぎやかな夏よりも、もっと野性の世界に近づけた気がします。
磐梯朝日国立公園内なので、遊歩道以外へ草木を踏んで入っていく事は出来ないのですが、たっぷり積もった雪は自然へのインパクトを減らし、人間の決めたルールもとっぱらって自由なフィールドに変えてくれます。
宮沢賢治の作品「雪わたり」は、雪が凍ってどこまでも歩いて行けるようになった夜に、人間の子供がキツネの学校の幻燈会(スライド上映会ですね)に招待され、互いに気持ちを通わせる話です。この子達はスキーを履いていないけれど、クロカンする時、私は「ああ、これは雪わたりの世界だなあ」と思うのです。
写真と文 高橋 真希
( 森のねえちゃんプロガイドとして小さな体で野山に出没中。)
1.クロスカントリースキーの板 |
2.休暇村磐梯高原のスキーコース |
3.小野川湖ごしの吾妻連峰 |
4.テンの足跡 |
5.ヤドリギ
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