Forest Note  Vol 9 Photo Photo Photo Photo
2005・3・16記載
Maki Takahashi
 
こころは空を飛んでいる
 

 裏磐梯にかかわって17年。ノウサギ・タヌキ・キツネ・テン・イタチ・カモシカ・ハクビシン・リス・モグラ・ヒミズ・ネズミ・ツキノワグマ・ニホンザル・コウモリ・ヤマネ・アナグマ。いろんな動物に出会った。が、まだ彼らに会ってない。
 空飛ぶ哺乳類、ムササビとモモンガだ。裏磐梯に住み始めた頃、モモンガがいると知って会いたいな…と思ってたがすでに7年。…うーむ本気で探さなきゃ会えないな!
 昨年猪苗代にムササビがいると聞き、何度か通って飛ぶ姿を見た。聞いていくと、猪苗代にはあちこちムササビがいるようだ。そしてモモンガは近年会津若松で確認されている。
 いよいよ裏磐梯で地元の人に聞いた。が「昔はいた」という話ばかり。まぼろしの存在なのか…? 
 2004年大みそかから正月3日まで連夜、山に行った。雪の森で耳を澄まし、鳴き声や動く音を探る。しかし空振りの日々…あー調査しきりなおし! 昼間フンや食べ跡、巣穴らしき樹の穴を探し、手がかりつかんでから夜張り込もう。
 1月下旬の晴れた日、巣穴探しに行く。気配ないまま2時間がたち、もう帰ろうと思った時。木の下に大量の枝が落ちているのに気づいた。んんっ! ムササビの食べ跡みたい。ドキドキ…そして近くでフン発見! フンを見てあんなにうれしかったことはない!
 2月10日。―5℃、やや吹雪。耳の凍傷がぶり返した。寒い……。この場所に足を運んで5度目。ついに樹から樹へ飛び移る姿を確認。まちがいない。ムササビが裏磐梯に今もいる…。

 がむしゃらな調査をしていくなかで力強い仲間を得た。私のムサモモの先生、岩崎君。3月10日、先生と裏磐梯で調査。手分けして歩き、収穫ないまま先生のとこへ。なんかうれしそう。まさか!…その樹の下にはたくさんの新しいモモンガのふんがあった。だっ、大発見!

 裏磐梯でモモンガに会う。ムササビの分布を把握する……課題はつきない。日没30分後から日の出30分前までが彼らの活動時間。「今日も飛んでるんだなあ〜」山に行かない日も私のココロは彼らの元に飛んでいる。


写真と文 高橋 真希    

( 森のねえちゃんプロガイドとして小さな体で野山に出没中。)


              写真協力   岩崎雄輔  福田由利子
 
 
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