2001・11・14記載
Ikuo Kimura
夕暮れ時は楽しそう
秋の宵は訪れるのが早い。晩秋ともなると尚更である。呑ん兵衛には嬉しい限りだが、夕焼け空を見てからでも酒は逃げやしない。
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昼と夜の狭間は、様々な色が織りなす一大ファンタジー・ショーだ。「落日」、それが開演の合図となる。「真紅」が主役の時もあれば、「輝くオレンジ」の時もある。「ゾッとする様な紫」や「心和むピンク」の時もある。高積雲の夕焼けは、西から東まで全天が朱に染まり正に圧巻である。いつもは悪者の「カラス」登場も、この時ばかりはムード作りに一役買い、その鳴き声はフェードアウトで消え去る。だが、「夕焼け」のクライマックスはとても短い。瞬く間に色褪せ、西空に緑色とオレンジ色の残照を残しつつ、「モノクロ」の世界へと戻って行く。幕を下ろすのは漆黒を抱えた「夜の帳」の役目である。
☆ ☆ ☆ ☆
運が良ければ二幕目は「星の宴」が始まる。夕焼けよりもっと遠い世界の物語だ。しかし天候如何で観れない事も多い。その時は家に帰り、温なしく楽しむに限る。
「何を楽しむかって?」「推して知るべし!!」
白玉の歯にしみとほる秋の夜の
酒は静かに飲むべかりけり
牧水
写真・文 木村郁夫 ( 裏磐梯の文豪・・・でなく酒豪・・・)
1 夕焼け・層雲 |
2 流れる夕焼け |
3 落日のあと・絹雲 |
4 夕映えの東天
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5 夕焼け・高積雲 |
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